2021年 8月 の投稿一覧

特別徴収による住民税の納付について

前回のお話のトピックにありました住民税の課税証明書・納税証明書に関連する話題です。
企業に勤めている方は、給与から住民税を天引きする「特別徴収」により住民税を納付しています。
特別徴収による住民税納付のフローは次の通りです。

  • 1月末日期限で前年1〜12月の給与支払報告書を勤務先から市区町村役場へ送付します
  • 2月~5月に市区町村役場が納税額を決定し、特別徴収税額決定通知書と納付書が会社へ送付されます
  • 6月より給与天引で納税が開始します
  • 会社は給与を支払った翌月10日までに、住民税を納付します。

東京都主税局 「個人住民税(区市町村民税・都民税)特別徴収の事務手引き」より引用

個人住民税の特別徴収とは、事業主(給与支払者)が、毎月従業員(納税義務者)に支払う給与から個人住民税を徴収(差し引き)し、従業員に代わって、従業員の住所地の区市町村へ納入していただく制度です。所得税の源泉徴収義務のある事業主は、従業員の個人住民税についても給与から差し引きして納めること(特別徴収)が法律等で義務付けられています。地方税法第 41 条、第 321 条の 4 及び第 328 条の 5 第 1 項の規定により、 所得税の源泉徴収義務がある事業主は、区市町村から特別徴収義務者に指定されます。(給料日の間隔が一月を超える、又は給与から住民税額が引ききれないなどの特別な理由がない限り、普通徴収(※)は認められません。)

所得税の源泉徴収義務のある事業主は、従業員の個人住民税についても給与から差し引きして納めること(特別徴収)が法律等で義務付けられています。

特別徴収の手続きを忘れ滞納となり、実習生とトラブルになってしまったケースもありましたのでご注意ください。

納税証明書・課税証明書について

在留カードの更新に伴い、納税証明書と課税証明書(住民税)の提出を求められる場合があります。
ここでは、技能実習と特定技能のケースをご紹介します。
その前に、外国人労働者の納税証明書・課税証明書はどこで取得すればよいのでしょうか。
答えは本人の住所を管轄する役所です。1月1日時点でどこに住んでいるか、もポイントです。
場合によっては旧住所の役所で取得になることもありますので、事前に役所に確認することをおススメします。

ケース1:技能実習中の在留期間更新手続きの場合
・直近で取得が可能な同一年度の納税証明書・課税証明書(例:令和3年度の納税証明書、令和3年度の課税証明書)

ケース2:技能実習→特定技能へ在留資格変更または、特定技能の期間更新手続きの場合
・すでに完納している直近で取得可能な年度の納税証明書(例:現時点であれば、令和2年度の納税証明書。令和元年の所得に対し課税された額)
・直近で取得が可能な年度の課税証明書(例:現時点であれば、令和3年度の課税証明書)

課税額が0円で納税証明書が発行されない場合もあります。そんな時は、「非課税証明書」でOKです。
また、5月から6月ごろは納税が終了し新たな課税額で納付し始める変わり目となりますので、入管が求める年度の証明書が出ないこともあります。
何年度分を取得したらよいかわからない場合は、監理団体など書類作成のプロに確認したほうがよいでしょう。

技能実習生 脱退一時金について

国民年金または厚生年金保険に加入していた技能実習生が、実習期間が終わり帰国をした後には、これまでに支払った保険料を脱退一時金として受け取る事ができます。

脱退一時金の支給要件としてのポイントは、

・日本国籍ではない事

・日本国内に住所がない事 ※出国時には必ず転出届を出す事

・支給額の上限は5年(60月)である ※2021年4月に改訂。2021年4月以降に年金の加入期間がある場合は5年、ない場合は従来通り3年となる

・資格喪失後、2年以内に請求をする事

・・・などなど、注意すべき事もありますので、日本にいる間に確認しておくとスムーズかと思います。

弊組合でも実習生が帰国する際には脱退一時金について説明をし、請求のための資料をお渡ししております。

請求の際には年金手帳も必要となりますので、忘れずに持ち帰りましょう。

支給額については、納付した保険料額や期間によって異なりますので、下記ご参照下さい。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/dattai-ichiji/20150406.html

↓ 弊組合では実習生向けにベトナム語で年金についての案内書面を作成しました。↓

技能実習生の住環境整備で優良企業へ

8月1日に技能実習制度の運用要領の一部が改訂されました。
https://www.otit.go.jp/files/user/%E4%BB%A4%E5%92%8C3%E5%B9%B48%E6%9C%881%E6%97%A5%E4%B8%80%E9%83%A8%E6%94%B9%E6%AD%A3.pdf

実習生の寮・宿舎において、全実習生に個室を確保すること、感染症予防対策を徹底することが優良要件適用申告書上で加点項目となりました。
※感染症予防対策とは、「毎日の検温」「アルコール消毒液の設置」「アクリル板やビニールカーテンの設置による飛沫対策」等とされています。

個室については、プライベートの確保によって実習生同士のトラブルを避けられるので、企業様にも是非取り組んでいただきたいですね。

2021年10月から、優良要件の採点は新配点(150点満点)に切り替わり(10月までは旧配点と新配点のどちらか選択可能)、技能検定の合格率が点数表でかなり大きな割合を占めています。合格率が芳しくない場合は、今回の改正による加点部分をしっかり拾っていきたいところです。