仕事の効率や現場の安全性向上を語るのも重要だが、今回は少し目線を変えて、新たに日本の建設現場へ仲間入りを果たしたインドネシアからの技能実習生10名の着任風景をご紹介したい。
技能実習生の受け入れ現場では、単に技術を教えるだけでなく、食事の配慮や一人ひとりの価値観の共有といった泥臭いコミュニケーションが日々行われている。ということで、今回は彼らの初日の挨拶から、微笑ましいランチタイムの出来事、そして現場での対話のポイントまでを解説していく。
これを読んでいただくと異国からの仲間を安全かつ温かく迎え入れるためのヒントが把握できるはずだ。

1.伝統衣装「バティック」での会社挨拶
日本に到着して1カ月程度の10名だが、初日は会社への挨拶からスタートした。 彼らが身に包んでいたのは、スーツではなくインドネシアの伝統的な正装である柄シャツ「バティック」だ。華やかな衣装と真摯な眼差しで、何度も日本語の挨拶を練習する姿が実に印象的である。 社長や先輩社員を前に少し表情は固くなっていたものの、まっすぐで素直な人柄がしっかりと伝わる第一歩となった。
2.初めての日本食「豚肉なし」特製かき揚げ丼
無事に挨拶を終えた後は、楽しみなランチタイムだ。 インドネシアの実習生は基本的にムスリム(イスラム教徒)が多いため、豚肉やアルコールを避けた食事の配慮が必要となる。今回は安心して食べられるよう「豚肉不使用」のかき揚げ丼」が食べられるお店に入った。 サクサクとした天ぷらの食感や日本の甘辛いタレは、彼らにとって初体験のものばかりだ。「甘いタレがすごく美味しい」と驚きつつも嬉しそうに丼を抱える姿が見られた。
3.相棒「唐辛子(チャベ)」が大好き
甘辛いタレを絶賛していた彼らだが、食事の途中で卓上の七味唐辛子に目が留まった。 インドネシアには「チャベ」と呼ばれる生の唐辛子を日常的に食べる文化があり、とにかく辛いものが大好物だ。母国の味を再現するかのように、七味唐辛子を丼にたっぷりとかけて満足そうに頬張っていた。 どんな料理にも自分好みの辛さを加えて楽しむ姿に、同席していた日本人スタッフからも思わず笑みがこぼれる一幕となった。ちなみに紅しょうがは人気がなかった。
4.マニュアルに縛られない個別のコミュニケーション
ここで一つ押さえておきたいのが、「ムスリム=全員が絶対に豚肉NG」と決めつけないことだ。 基本的には豚肉を避ける者が多いものの、実際には宗教観や考え方は一人ひとり異なる。日本での生活になじむ中で、自ら試して豚肉を好きになるケースもあり、現場を驚かせることもある。 マニュアル通りの対応で一括りにするのではなく、日頃から対話を重ねて個人の好みや価値観に向き合う姿勢こそが、現場運営において極めて重要と言える。
5.文化を尊重し合い、安全な現場づくりへ
初日の緊張も、共に囲む賑やかな食事を通してすっかりほぐれたようだ。 異国の地で建設技能実習生として第一歩を踏み出した10名だが、言葉や文化の違いを互いに楽しみながら受け入れていく体制が整っている。 会社全体でしっかりとサポートを行い、お互いを尊重し合いながら安全第一で現場を回していく今後の展開に期待したい。
